屋根は軽い方が良いって本当?屋根の重量一覧とともに解説します!
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このページでは「屋根は軽い方が良いって本当?屋根の重量一覧とともに解説します!」をご紹介しています。
屋根を軽くすることは住宅の耐震性をあげるとよく言われています。
しかし、実際に屋根がどれくらい重いのかはなかなかわかりにくいものですし、なぜ軽い方が良いのかをご存知ない方も多くいらっしゃいます。
ここでは「なぜ屋根は軽い方が良いのか?」をご紹介します。
知ってましたか?実は屋根ってすごく重い!
まずは代表的な屋根の重さを見ていきましょう。
・土葺き屋根:約60kg/㎡
・瓦屋根・セメント瓦:約42kg/㎡
・コロニアル:約20kg/㎡
・ルーガ:約20kg/㎡
・金属屋根:約5kg/㎡
この表でもわかるように、土葺き屋根や瓦屋根がいかに重いかがわかりますね。
瓦屋根からガルバリウム屋根などの金属屋根に葺き替えると、1/10〜1/8くらい屋根が軽くなることがわかります。
屋根の重さと耐震性
「屋根の重さは耐震性には関係がない」といった意見がよくみられますが、このような意見は瓦屋根のネガティブな印象を払拭したいメーカーや瓦屋根業者からの発信であることが多いです。
日本では古くから瓦屋根を使っていましたし、実際に現在でも瓦屋根の普及率は高いです。
なので、瓦屋根を擁護する意見が目立つ訳なのです。
しかし、屋根の重さで耐震性が変わることは学術的に明らかにされています。
建築家を目指している方は建物の構造耐力に関する構造力学を必ず学びます。
その構造力学の計算式の中で「壁量計算」と呼ばれるものがあり、この計算式では地震に耐えられることができる建物の壁の量(地震耐力壁)を求めることができます。
ここで難しい計算式や内容をお伝えしてしまうとややこしく、長くなってしまいますので省力させていただきますが、この壁量計算は住宅の耐震性能を調べる最も重要かつ基本的な構造計算式なのです。
屋根が重ければ重いほど、重い建物として算出され結果的に耐震性の低い住宅ということになってしまいます。
なぜここまで瓦屋根が浸透しているのか?
それは、地震対策よりも台風対策が最優先されていたからです。
昔の人は台風からの被害を避けるために、屋根は重ければ重いほど良いとしてきました。
しかし現在では、科学や力学の発展を経て真逆の考えとなり、屋根は軽く丈夫なものになってきています。
特にリフォーム分野では、ガルバリウム銅板などの軽くて耐久性に優れている金属屋根の使用も急速に拡大しています。
軽量防災瓦について
屋根の軽量化に関心が強まるにつれて、屋根瓦も進化し軽量化されたものが出回っています。
瓦業界では「従来の瓦よりも軽く、地震や豪雨などの自然災害の被害も出にくい」と言われていますが、実際は従来の瓦よりも1割か2割しか軽くなっていないのです。
軽量瓦とは「通常の瓦よりは軽いですよ」という意味で、建築基準法でいう「軽い屋根」では決してありません。
屋根の軽量化は耐震改修工事のひとつ
現在では、旧建築基準法(1981年6月1日以前)で建てられた住宅に耐震改修工事を行うと自治体から助成金が支給されます。
主な耐震工事は、「建物の基礎」「接合部の補強」「壁の補強」「屋根の軽量化」です。
重い屋根を軽い屋根に帰る改修工事も補助金対象として認められています。