屋根の葺き替えってどんな工事？特徴やメリット・デメリットを解説

屋根の改修工事には「屋根の塗装」「カバー工法（重ね葺き）」そして「屋根の葺き替え」と3つの工法があります。
その中でも、最も屋根の修繕・リフォーム効果の高い工法が「屋根の葺き替え」です。
ここでは「屋根の葺き替え工事」の特徴、メリット・デメリットなど知っておきたいポイントをご紹介します。

屋根の葺き替え工事とは？

屋根の葺き替え工事とは、「現在の屋根材をはがし、新しい屋根材へと葺き替える工事」を指し、その名前の通りの工法です。
単に屋根の表部分だけを補修する工事ではなく、全面的に屋根を一新するリフォームとなります。

また「葺く」とは、屋根を覆うことを意味し、屋根の下地である野地板や防水シートも取り換えます。
屋根材、下地ともに新しいものに取り替えるので、葺き替えは最も効果の高い屋根の修理方法です。

葺き替え工事は、経年劣化によって修理が必要になった屋根に対して行う場合が多いです。
しかし近年では耐震対策として、重量のある瓦屋根から軽い屋根材への葺き替えを行うケースも増えています。

屋根葺き替え工事のメリット

建物の寿命が延びる

葺き替え工事は、屋根材と一緒に下地もすべて新しいものに取り換えます。
つまり、屋根の機能が全て新しくなります。
機能が新しくなるという事は、建物を風雨から守る機能が復活する事に繋がり、結果として建物の寿命を延ばす事となります。

雨漏りなどで建物の柱や梁といった重要な箇所にダメージが出てしまうと、建物の寿命を縮めてしまいます。
そうなる前に屋根の修理、リフォームを行いましょう。

建物の外観を新しくできる

棟板金そのものが傷んでしまう場合があります。
屋根は建物の外観の大きな部分を占めています。
ですので、「瓦が剥がれてしまっている」、「瓦が割れてボロボロ」といった事態になると、建物の印象が大きく損なわれてしまいます。

塗装で綺麗に塗り替えたり、カバー工法により上から綺麗な屋根材を張り付けることもできますが、葺き替えによって屋根材を全て新調したものはやはり印象が大きく違います。
毎日過ごす家の屋根、外観に気を配ってみるのもいいかもしれません。

地震に対する備え

屋根を一新する際に、軽量な屋根材を選ぶことで耐震性を上げることができます。
瓦屋根は丈夫でメンテナンスも比較的少なく済むという利点がある一方で、その重さが地震のときにマイナスに働く場合もあります。

屋根材が重いと、建物の重心が高くなり、揺れが大きくなってしまいます。
そこで、近年は瓦屋根からスレートや金属への葺き替えの人気が高まっています。
屋根が老朽化している場合は、修理のタイミングで重い屋根材から軽量かつ丈夫なものに替えると安心です。

雨漏り対策

台風やゲリラ豪雨などの際に、雨漏りが突然発生する場合もあります。
老朽化して雨漏りし始めると、建物の柱や梁といった重要な箇所から室内まで大きなダメージを受けてしまいます。
そうなると、屋根のリフォームだけでは済まなくなり、屋根修理以外の余計なコストがかかります。

塗装や補修で対応できなくなってきたら、葺き替えを検討することをおすすめします。

屋根葺き替え工事のデメリット

費用が高くなる

費用に関しては、他の工事よりも葺き替え工事のほうが基本的に高額になります。
「新しい屋根材にかかる費用＋撤去した屋根材の処分費用」が掛かることに加えて、工期も長くなります。

しかし葺き替え工事をすることで、結果として将来的に家にかかるトータルコストを安く抑えられる場合があります。
今後の雨漏りのリスクや、定期的なメンテナンス費用を考慮した上で、「一時的な出費を抑えてメンテナンスを頻繁に行うか」、「葺き替えにするか」、その判断は専門業者に相談しましょう。

工事中の雨漏り

工事中に大雨が降ってしまった場合は、建物内部に雨が入ってしまう恐れがあります。
雨漏りを防ぐ為の工事で雨漏りしてしまったのでは意味がありません。

優良業者では天気予報をしっかりチェックしながら行うので特に心配する必要はありませんが、相手は天候です。
可能性が０ではないことを家主さんご本人もしっかり把握しておくことが大切です。

屋根葺き替えが必要になる時期は？

葺き替えは大規模な改修ですので、頻繁に行う必要はありません。
屋根材にもよって耐久年数に違いがありますが、目安となる年数は以下のようになります。

あくまでも目安なので、天候の影響や、メンテナンスの頻度によって長くも短くもなることも覚えておきましょう。

葺き替え工事を行う目安

瓦屋根⇒50年
スレート屋根⇒30年
金属屋根⇒20～40年